キーボードの選び方
▼キータッチ仕事柄、タッチタイピングで長時間、かなり高速にタイピングするので、やはり、ストロークは浅く、軽いタッチのキーボードが選択の重要な基準になる。
もともとは、Happy Hacking Keyboard(以降、HHKB)のような、重めのタッチでしっかりストロークのあるキーを好んでいたが、はやり疲れる。仕事で繁忙期に入ると腱鞘炎になったこともある。
あとは、手に馴染むかどうかということも重要な選択基準だ。こればっかりは、実際に暫く使ってみないことには分からないが、いくつかの要素がある。それはクリック感とキートップの形状、感触だ。
クリック感だけで言うと、ロジクールのKX1000sやCOUGARの200Kが秀逸だと思う。「打ってて、気持ちいい」感じを出してくれるのもクリック感が重要な要素になる。
キートップの形状、感触で言うと、これもロジクールのKX1000sは外せない。少し窪んだキートップは指先を安定させて滑らなくていい。使い始めた瞬間から手に馴染む感じがした。あとは、MicrosoftのDesigner Bluetooth Desktop。見た目はつるっとしているが、このキーのトップは滑りにくくなっていて非常にいい感触だった。
軽いタッチのキーボードの代表で東プレの30g荷重を売りにしているREALFORCE 108USというのがあるが、これは手を休めただけでキー入力されてしまう。これでは使いものにならない。
▼互換性
キーボードを馬の鞍に例えて、消耗品ではないとHHKBの開発者が言ったが、たしかに消耗品ではないと思う。
しかし、HHKBの鞍は互換性がない。ずっと、いつでもHHKBのキーボードが使用できるならHHKBを選ぶかもしれないが、実生活では、仕事場では会社の提供したキーボードを使うし、学生なら学校が提供したキーボードを使うし、自宅では自分のキーボードを使うからだ。
とくに、客先常駐などではキーボードの持ち込みはこのご時世、かなり難しいものがある。メモリーなどストレージとは無関係のキーボードだが、はやり客先のPCのUSBポートに私物のキーボードを接続するのはコンプライアンス的にも問題になる可能性が大きい。
互換性で注意したいのは日本語配列と謳っていても、配列は確かにそのとおりなのだが、キーピッチが違う場合である。
店頭でさらっと叩いただけでは、分からない微妙な場合もある。例えばロジクールのKX1000sは上から2段目の1からバックスペースまでのキーピッチが狭くなっている。
これでは互換性があるとはいえず、タッチタイピングするひとはミスタイプを頻発してしまう。店頭で試し叩きする場合は、机の前にちゃんと座った状態で叩く場合は少ない。意外と気づかないものだ。
▼品質
品質の悪いキーボードは意外と多い。品質の視点で言うと、初期不良、検品不良、耐久性不良などを重要視する。
COUGAR 200Kは3台中一度もまともなキーボードに当たったことがないという散々な結果だ。
ロジクールもKX1000sはさすがに高価なだけあって品質はしっかりしているが、同じメーカーでも安いとは言えないK740は非常に粗雑な製品だった。キーが引っ掛かるとか、ぐらつくとか、そういうレベルのキーボードだ。
そもそも、品質を疎かにするキーボードって価値がるのかとさえ思ってしまう。こういったキーボードは明らかに、検品せず出荷しているし、メーカーとしてのやるべきことを果たしていないと言っていい。
ちなみに、COUGARは現在使用中だが、頻繁に使用するスペースキーは、だんだんがたつく感じが増してきている。耐久性の問題だと思う。
品質について参考になるのは、アマゾンとか価格.comなどに投稿されているレビューだ。キータッチなどは個人的好みがあるため、あまり当てにはならないが、品質に関しては、この製品は品質がいいか悪いか、割とすぐ分かる。COUGARの200Kは左端キーとスペースキーの不具合が頻発しているし、ロジクールのK740は左端のキーがかなりの確率で初期不良だ。
逆に品質がいいキーボードでいうと、ロジクールのKX1000sはほとんど不良の報告が上がっていない。PFU、FILCO、東プレも品質はよさそうだ。これはメーカーがキーボードを消耗品として扱っていない証左だ。